2022年12月27日火曜日

キハ52系気動車で行く小さな旅

年の瀬が迫り、冬も本番。温暖な勝浦と言えども朝晩は冷え込むようになってきたが、陽の高い日中は春のようなぽかぽか陽気に包まれる。


そんな小春日和に誘われて、ひと味違う旅気分を味わいたくなり、レトロな「いすみ鉄道」に乗って十万石の城下町「大多喜」へ出掛けてみた。

「いすみ鉄道」は、国鉄時代のキハ52系気動車が走る(土・日・祝日運行)鉄道マニアに人気のローカル線。TVの旅番組でもよく取り上げられている。

キハ52系気動車は、外観も車内も昭和時代そのまま。低くこもったエンジン音を響かせながら〝ガタン!ガタン!〟と走る車両に揺られていると、心は1970年代へ帰っていく。






車窓の風景もゆっくり、ゆったり流れ、どこか遠くの土地を旅しているような気分。身近な夷隅川や房総の里山風景も、いつもと違って見えてくる。









車でよく通り抜けている「大多喜」の町も、列車で訪れると旅情感たっぷり。古い商家が点在する城下町通りを散策し、老舗的な雰囲気がある「そば処くらや」で昼食。以前、農耕馬や牛の鞍を造っていた店で、戦後そば店に転身したことから、昔の屋号の「くらや」を用いているという。



おすすめの「特上天せいろ」をオーダーすると、香り高い更科そばに、ボリューミーな野菜天・キス天・エビ天が添えられ、満足度も満腹度も抜群。ツルツルの喉ごし、サクサクホクホクの天ぷらは癖になりそうだ。


なまこ壁の土蔵、天明年間創業の酒蔵、登録有形文化財の木造旅館が建ち並ぶ城下町通りを歩き、夷隅神社を参拝し、再び大多喜駅へ。







昔ながら気動車に乗って城下町を訪れ、ふらっと散歩していると、時間がゆったり流れていた昭和時代の旅気分が味わえる。

身近な町で心に染みるような旅情に浸れるキハ52。郷愁をそそる気動車に乗って、今や貴重な国鉄時代の車両を走らせている「いすみ鉄道」を応援したい。


 

 

 

 

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