勝浦では、5月下旬にアワビ漁が解禁となり、漁場となる沿岸の干潮線附近の岩礁に海士たちの小さな磯舟が浮かんでいる。ウェットスーツに身を包んだ海士が磯舟の傍らで素潜り漁を行う様子は夏の風物詩だ。
複雑に入り組んだリアス式海岸が続く勝浦は、暖流黒潮の恩恵を受けアワビの餌となる海藻が豊富で、引き締まった肉厚なアワビが育つ最高の漁場。外房産のアワビは、奈良・平安時代に都の朝廷に献上されていたという記録がある。
磯根で育つ勝浦のアワビは、しっかりとした歯応えとアワビ独特の濃厚な味わいが特徴で旨みがぎっしり。しかも、すぐ目の前の海で獲れた鮮度みなぎるアワビの美味しさは格別だ。
また潮が引いた磯ではヒジキやテングサなどの海藻採取が盛んに行われていた。
潮溜まりには、ヤドカリやカニがたくさん。
梅雨入りし空模様はすっきりしないが、直射日光にさらされない分、磯遊びは快適に楽しめるかもしれない。