千葉県は8月中旬から稲刈りが始まる関東一の早場米の産地。真夏の太陽の下、田んぼ一面がたわわに実った稲穂で満たされ、盆開けには新米が店頭に並び始める。
なかでも南房総の嶺岡山系は、稲の成長に必要なミネラル分が豊富に含まれる蛇紋岩土壌で、美味しいお米を育てるのに最適な環境といわれている。プレミアム米の産地として有名な新潟県の南魚沼も蛇紋岩土壌である。
鴨川嶺岡米の生産者・満田安孝さんは、蛇紋岩の多い重粘土の地質を最大限に活かし、世界最大のお米の品評会「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」にて金賞に輝いた経験を持つ。
嶺岡山系から流れ出る天然水の養分が充分行き渡るよう一本一本間隔を開けて田植えを行い、酵母・乳酸菌・納豆菌など環境浄化微生物を用いるなど、米づくりに並々ならぬ情熱を注いでいる。面積あたりの収穫量は減ってしまうが、力強い稲が育ち旨味も凝縮されるという。
そんな鴨川嶺岡米の持ち味を存分に引き出すため、お米の芯までふっくらと炊きあがる土鍋を用いてみた。
お米一粒一粒がしっかりしており、もっちり弾力のある歯ごたえは。噛むほどに甘味が広がり、おこげの香ばしさは土鍋ならではである。
お米にこだわり、炊き方にこだわる。時には、ご飯が主役になる食卓もいいものだ。